狗神憑きと怪異作家


世界観

【時代設定は明治時代頃(仮定/一部ファンタジー等含む)】


用語

【 怪異討伐機関"朔"(かいいとうばつきかん"さく")…現在唯一国の認可を受けている"怪異"の討伐機関。明確な被害を確認してからしか動かない為、危険分子の監視はともかく対話などの解決法は基本取っていない(それで済むのであれば朔から外注することも)。主に国や自治体から依頼を受けている。"朔"は新月の意。原型が出来たのは500年程前(大体室町時代)で、丹羽家が関与している。

【 契約者(けいやくしゃ)…怪異と契約しその力を行使する者。家系で継承している場合の他、突発的なものや、怪異側から押し付けられたものもある。

【 特異体質者(とくいたいしつしゃ)異能者(いのうしゃ)】…単身で人ならざる特異な力(異能)を行使する者のこと。家系に依るものが殆ど。


登場人物

二神(ふたがみ)

[ 人間?/狗神憑き ]15歳|男性|160cm|/生|俺

引っ越し先の家で偶然狗神の封印を解いてしまった少年。狗神に憑かれた影響で周囲に不幸が広がり、自己嫌悪から家を飛び出し、行き倒れていたところを"せんせい"に拾われた。以降、"せんせい"の下で書生としてその仕事を手伝うことになる。

眉を寄せた固い表情をしているが、その実優しく甘い性格。狗神に供え物の形を取ってご飯をあげている。

狗神(いぬがみ)

[ 妖:狗神 ]推定800歳|オス|185cm|/生|オレ

元々は山で暮らしていた長寿の白い山犬。時折人里に降りつつ人と触れ合い穏やかに暮らしていたが、"白い山犬"の噂を聞きつけた人間に捕まり、餓え殺され狗神に堕とされた。散々呪いを撒き散らした後、長らく壺に封じられていたが、二神に封を解かれ久しぶりに外に出た。以来、彼に憑いている。

その境遇により人間に対する憎しみが尽きず、嫌悪から挑発的に振る舞う。狗神の性質として常に空腹で、腹が満ちることがない。憎悪と飢えで短気になりがちだが、元はこんな性格ではなかったらしい。

能力としては手を触れずに物を動かす等の超能力、二神(憑いている対象)の周囲への呪いの付与。また、離れていても二神と視界を共有することが出来る。

真名は矩仙(くぜん)。その昔、黒い犬と共に居た。

せんせい

[ 半妖/?? ]年齢不詳|男性|180cm|/生|私

多く妖を主題とし執筆する小説家。怪異作家。飄々として掴み所がなく、時々「何百年生きているのか?」と取れる言動もするため得体が知れない。

よく一緒にいる鵺を"ぬーちゃん"と呼んでいる。

ぬーちゃん

[ 妖:鵺 ]年齢不詳|オス|cm|(我)

 "せんせい"曰く鵺。鳴き声は「ぬ」。やたらぷにぷにモフモフとした姿をしているが、"せんせい"の前では稀にちゃんとした獣の姿を晒すらしい。

能力は雷を操るもの。見た目の割には強烈な一撃を持つ。

端山  陽月(はやま  ひづき)

[ 半妖:猫又 ]年齢不詳|男性|178cm|/生|俺

猫又と人の合いの子。作家。"せんせい"とは馴染みの仲。

殆ど猫の姿でいる父親と違い、殆ど人の姿でいる。気さくな性格で、頑張っている子を見守るのが好き。

鞍馬(くらま)

[ 妖:天狗/元・人間 ]推定800歳|男性|181cm|儂

鞍馬山に引き籠る大天狗。元・坊主。

その昔、よく寺に遊びに来ていた猫が酒に酔った男に蹴り殺され、その猫殺しの男を衝動的に殺めてしまったことから人を外れた。「他者を嫌悪で殺してしまうような奴だから、きっととても醜い顔をしている」という理由で面を付けており、人前では外さない。

人はいいが不器用なため、何かと貧乏くじを引きやすい。件の猫も実は化け猫で未だ寺に遊びに来ているなど、色々と投げ出したい気持ちでだらだら生きている。

鬼童丸(きどうまる)

[ 妖:鬼 ]推定1000歳|男性|184cm|オレ

酒呑童子と人間の女の間に生まれた酒呑童子の実子。血の気は多いが純粋な性格で、父も義兄も大変慕っており、義兄に嫌われていることには気付いていない。

父の仇を取ろうと頼光を襲ったが、返り討ちで瀕死の重傷を負い、見かねた鞍馬に拾われた。以来鞍馬山で鞍馬の手伝いをしているが、実際仕事を増やすことが多い。

丹羽  緋子(にわ  あかね)

[ 人間/特異体質者 ]18歳|男性|178cm|/生|俺

明義の息子。目つきこそ悪いが性格は優しく勤勉。

父親と同じく炎を操る異能を持つが、感情に伴う威力のムラが激しく、上手く制御出来ないでいる。緋子の気持ちが弱ければ炎の勢いは弱まり、逆に気持ちが強ければ嫌悪であれ好意であれ炎の勢いは強くなる。

寛座 弘(かんざ ひろし)

[ 人間 ]28歳|男性|181cm|/生|俺

他者の致命的な場面に些細な理由や偶然で出くわし、「お前の所為だ」と責任転嫁される不幸体質の男。最初の"不幸"は父に自分が母の不貞により生まれた子だと知られ、母諸共殺されかけたこと。母はその時死に、父の呪いか首には今も手の痣が残る。

何度目かの「お前の所為だ、殺してやる」の罵りを受けた際、「俺の所為だ、殺してやる」と応え相手を殺めたことから現在は日陰暮らしをしている。

極まった人嫌いにして苛烈。人間以外にのみ耳を傾ける。

石動(いするぎ)

[ 付喪神:打刀 ]300歳|男性|176cm|俺

使い込まれ妖刀と化した打刀の付喪神。戦場で使われることを何よりの誉とする刀らしい在り方の一方、何かと世話を焼き尽くしたがる忠犬のような一面も持つ。

 

京極  至将(きょうごく ゆきまさ)

[ 妖:鬼 ]年齢不詳|男性|183cm|/生|俺

影を操る鬼。常に刀と共に在り、斬ることに執着した男の成れの果て。元々それなりに由緒のある家の長男坊であったため、存外礼儀作法が身についている。


怪異討伐機関"朔"

丹羽  明義(にわ  はるよし)

[ 人間/特異体質者 ]38歳|男性|183cm|/生|俺

 "朔"設立に一枚噛んだとされる丹羽家の男性。代々炎を操る異能を継いでおり、彼もまた炎を操る異能を有する。その家柄と振舞いから"胡散臭い"の言葉を恣にする。

次期当主ではあるが現当主である実父とは何かと喧嘩が絶えず、傍から見れば殺し合いにも見える父子喧嘩を繰り広げることも。その一方で一目惚れした妻や息子は大切に想っている。怪異に個人的な怨みはないが、仕事はきっちりやる。と言いつつ、家族のため雑事を部下に投げてさっさと帰ることも屡々。

京極  一閃(きょうごく  いっせん)

[ 人間/契約者 ]39歳|男性|186cm|3/30生|俺

怪異『百手百鬼』と契約している無腕の男。戦闘狂の質があり、相手が強ければ強いほどやる気を出す。昔は若さに任せて散々無茶をしたが、この頃はいくらか自粛も覚えた。

親同士が定めた許嫁/幼馴染を経たがいる。初対面時に「ちんちくりん」呼ばわりしたのはいい思い出。


夜哭の狼

樂仙(らくぜん)

[ 妖:鬼(黒犬) ]鎌倉時代~、外見30代|オス|190cm|/生|俺

その昔、仲間を率いて方々を駆け回った大きな黒い山犬。人間との戦の中で次々に仲間を殺され、哀しみと仲間を護れなかった自己嫌悪、人間への憎悪からいつしか狂い、鬼になった。現在も多くの山犬に囲まれ山で暮らしているが、以前と比べ仲間と好んで群れることはなく、いつも張り付いた笑みを浮かべている割には心が閉じている。やや正気ではない。

強者との戦いと人間を殺すことに執心しており、見境が無い。「強くなりそうだ」という理由から気まぐれに纏を拾って育てたが、愛情はない。

身体能力が高く、再生力が強い。人型に化けたり、黒く大きな獣に戻ったりしている。獣姿の時は素早く、長距離の移動が可能。

(まとい)

[ 妖:鬼 ]65歳|男性|186cm|/生|俺

人間の手で都合の良い傭兵・奴隷として白痴に育てられた鬼の唯一の生き残り。"白痴の鬼"の村は暴走する樂仙により滅ぼされ、彼自身も両親を殺され顔に消えない傷を負う。が、何故かその足で樂仙に攫われ育てられ、現在に至る。恨んではいないし、そもそも恨みの感情を知らない。

知力、特に記憶力に乏しく、色々なことが儘ならない。戦闘を唯一の"能"とするが、彼自身は寧ろ大人しい性格をしている。深く考えることが苦手で面倒を避けるため、やや慈悲がない。

身体能力が高く、やたらと頑丈。戦闘でのみ直感に優れ反射的に動くが、頭の回転と同じく基本的には動作が鈍め。自分を顧みないところがあり、時に無謀をする。